欠陥マンションに引っかからない為の3つのポイント
世田谷区の松陰神社にある信明コーポは賃貸マンションですが、今回は分譲マンションをはじめいわゆる「欠陥マンション」に引っかからないための3つの自衛策について説明したいと思います。
なぜ、今回「欠陥マンション」について説明するかといいますと、直近で有名な話題としては、旭化成社のグループ会社の旭化成建材が起こした基礎工事の際の杭本数不足による、マンション全体の陥没や、皆さんの記憶にもまだ残っていると思いますが2005年の耐震偽装マンションなど賃貸マンション、分譲マンション、果ては戸建てなど建築物に対する欠陥が大きく注目されるようになったからです。
もともと建設業界は現在深刻な人材不足という大きな問題を抱えていますが、今度も東京オリンピックなどの建設関係に多くの職人が費やされ更にこの人材不足は加速すると予想されます。
人材不足ということは、どのゼネコンや建設会社も一人でも多くの職人を必要としており、下請け会社はその要望に応えようと工期の短縮等無理な工事を請け負ってしまい、結果「欠陥マンション」や「欠陥住宅」が完成してしまうのです。
上記の例はあくまで一例にすぎませんが、現に世の中には多くの「欠陥マンション」が残念ながら存在していることも事実なのでこれから引っ越しや購入を考えている方は十分注意する必要があると思います。
しかし、先に述べておくと、このような「欠陥マンション」に引っかからないための完璧な方法は今のところ存在していません。
ただ、購入を希望している方や引っ越し先を探している方がご自身で簡単にできる効果的な自衛策がないわけではありません。
なので、今回はその効果的な自衛策について3つご紹介させていただきます。
まず第一に会社を選ぶことです。少なくとも、事業主(売主)であるデベロッパー、工事を行うゼネコン、設計を行う建築設計会社の3つは調べるようにしましょう。会社に規模が大きい大手だから必ず信用できるかというと、そうではありません。
そのことが容易に分かるのが、先に挙げた旭化成建材社の問題です。この問題となったマンションの販売主は三井不動産レジデンシャル。施工の元請けゼネコンは三井住友建設ですが、問題の杭打ちを行ったのは、下請けの旭化成建材で、偽装を行ったのも、旭化成建材の担当者だったことが判明しました。もちらん偽装を行った旭化成建材社に責任の多くはあることに間違いないですが、しかし管理体制や確認を怠った三井住友建設等にも十分非があるといえます。
そういった意味で、有名な大手が必ずしも良いとは限らないのです。
会社の知名度や規模だけで安心せず、業界での評判や実際にトラブルが起こった際の対応などを是非調べてみて下さい。
第二に購入を検討しているマンションや気に入ったマンションがあった場合、販売事務所や管理会社に確認し設計図書とよばれるそのマンションに関する情報が詰まった分厚い資料を閲覧してみましょう。ここでは、もちろん設計に関する知識があれば設計図書を見て、相手会社と対等にコミュニケーションできることが理想ですが、ここではそこまでの専門知識は不要です。なぜならば、ここでチェックすべきは「対応」の部分です。そもそもきちんと設計図書を用意しているのか、管理はできているのか、希望すればすぐに閲覧できるようになっているの等、相手会社の対応をみるだけでデベロッパーの体質がだいぶ把握できます。中には、設計図書を販売事務所に置いていなかったり(管理会社の場合は、大家さんが管理しているケースがあるので、あるなしに関わらず対応を見るようにしましょう)信じられませんが重要な図面を抜いていたりするケースがあるのです。そういったデベロッパーは信頼できるとはいえないので、物件が気に入ってもなるべく他の検討した方が賢明といえるでしょう。
第三に、広告などに記載されている物件情報で工期を確認することです。工期とは工事に掛かった期間のことで、適切な工期は、マンションの品質を確保する上で非常に大切となってきます。工期を無理に短くしようとすると、たとえば本来必ず必要だった工事が割愛されたりし、強度の低下や劣化スピードが明らかに早いなどの問題が発生します。現実に行われた例として、コンクリートが十分に乾燥する前にサポートを外して工事を進め、外壁のひび割れ梁及びスラブの撓み等の問題が生まれたということがあります。
なので、この工期に関しても確認が非常に重要となってきます。では、どれ位の後期が一般的なのでしょうか?
簡単な事例ですが、45m以内、14~15階建て以下のマンションならば、大体、会社を選ぶこと段数プラス3~4ヶ月が適正後期です。
例えば、分かりやすい事例をあげると10階建てのマンションの場合、14ヶ月が標準後期となります。
ただここで注意していただきたいのが、この14ヶ月という後期には、新築の場合の購入者の内覧会や修正工事の期間が入っていないので、本来は更に2ヶ月足した、合計16ヶ月が目安となります。
いかがでしたでしょうか?分譲マンションの購入は人生で最も高い買い物となる方がほとんどのはずです。また、賃貸マンションにしても引っ越しをするということ自体一大イベントとなるでしょう。安易に営業の人の上手い口車に乗せられないよう自分で防衛策を少しでも施してみてはいかがでしょうか。